鹿児島大会は22日、準決勝2試合が行われ、4年ぶりの夏制覇を目指す鹿児島実が2年連続の決勝進出を決めた。延長11回の末に、鹿屋中央に競り勝った。春夏連続甲子園を目指す大島は、国分中央に7回コールド勝ち。プロ注目の最速146キロ左腕、大野稼頭央投手(3年)が、7回無失点、13奪三振の快投を見せた。決勝戦は、24日の午前10時05分から平和リース球場で行われる。

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鹿実が伝統校の底力を見せた。3-3の延長11回。一挙4点を勝ち越し、激闘にケリをつけた。最速142キロのエース左腕、赤崎智哉投手(3年)は、11イニングを3失点(自責は1)で179球の熱投。「最後まで気持ちを込めて投げられたました。よかったです」。2年連続の決勝進出。18年以来、4年ぶりの鹿児島制覇に王手をかけた。

打のヒーローは、この日3失策だった2年生遊撃手の一ノ瀬獅堂内野手。11回1死一、二塁で右前決勝打を放った。「2失点は自分のエラーから始まりました。マウンドの赤崎先輩にすごく迷惑をかけてしまった。赤崎さんのためにも、チームのためにも、1本出そうと」。一塁ベース上では、何度も拳を天に突き上げた。“汚名返上”の一打で、エースの力投に応えた。

昨秋と今春は結果を残せず、ノーシードで迎えた今大会。1回戦で春の九州王者、神村学園を撃破して勢いに乗った。この日も2回に先制を許しながら、鮮やかな逆転勝ちだ。赤崎は「去年は決勝で(樟南に)0-7で負けた。今年はあんなあっけない終わり方はしないように」と、締めた。

決勝戦の相手は奄美大島の県立高、大島に決定。春夏通算28度の甲子園出場を誇る伝統校と、離島の新鋭大島が、頂点をかけて顔を合わせる。赤崎にとって、大島のエース左腕大野は「負けたくない」とライバル視する存在だ。「自分よりもいいピッチャーだと思う。決勝戦で投げ合って勝ちたい。厳しい戦いになると思いますが、優勝して甲子園に行きたいです」。プレーボールは24日の午前10時05分。夏制覇で、ノーシードからの快進撃を完結させる。【只松憲】

▽鹿児島実・駒寿(こまじゅ)太陽外野手(3年=6回2死一、二塁で一時逆転の3ラン)「主将としてこれまではいいところを見せられなかった。なんとかチームを引っ張ることができてよかったです」