ノーシードから、13年ぶりの甲子園を目指す聖望学園が、逆転勝利で決勝進出を決めた。

1-3とリードされた4回裏の攻撃。2死走者なしから、7番江口生馬(いくま)主将(3年)の右前打を足がかりに、5連打で3得点。単打5本を全て右前に運び、4-3と逆転に成功した。

先発の背番号1右腕・岡部大輝投手(3年)は、120キロ台の速球とスライダーをコーナーに投げ分けて、尻上がりに調子を上げた。

8回からは背番号8の左腕・東山陽紀投手(3年)が登板。5-3で迎えた9回表に、2本のヒットを浴びて、1点差に迫られた。なおも1死一、二塁の場面で、打球は左中間を襲ったが、左翼手の双木(なみき)琉斗(3年)が懸命に背走し、ダイビングキャッチ。抜ければ逆転という状況でビッグプレーが飛び出し、1点差を守り切った。

6年ぶりの決勝進出を決めた岡本幹成監督(60)は、「6年ぶりに決勝の舞台に立たせてもらえて、子どもたちに本当に感謝しています」と、勝利をかみしめた。4回の集中打については、「外角のボールに対して肩を開かずに打てと指示をしたら、どん詰まりの打球が全部ライト前に飛んだ。ベンチで『ほら見てみ』と言っていた」と笑顔で振り返った。

次は中1日で、26日に浦和学院との決勝に臨む。「今日の試合を見たら、どうやって勝つねんって」と冗談交じりに話しながらも、「浦和学院さんとやれるチャンスをもらったので、精いっぱい頑張りたいと思います」と意欲を口にした。

決勝で戦う浦和学院は、昨夏の埼玉大会初戦で4-11で敗れた相手。2年越しの悔しさを晴らし、09年夏以来、13年ぶり4度目の夏頂点を狙う。