日本文理は3-1で新潟を破り、3大会連続のベスト4。エース田中晴也投手(3年)が6安打1失点(自責0)の14奪三振で完投した。準決勝は26日、ハードオフ新潟で行われる。

日本文理のエース田中がギアを1段上げた。3-0の6回表、先頭を振り逃げで出した後、さらに安打と失策が重なり1点を失った。なお無死一、二塁のピンチ。ここで本領を発揮する。「(三振を)取りにいった部分もあった」と力勝負。最速148キロの直球を低めに決め、3者連続空振り三振で切り抜ける。続く7回も3者三振。流れが変わりかねない試合中盤から終盤に6者連続三振で相手の勢いを止めた。

6安打1失点、144球での完投。万全の出来ではなかったが「要所で力を入れた」と言う。1、3、9回と走者を背負った場面でも三振で後続を断った。自責点0も、今大会4試合目でチーム初失点だったが「最少失点に抑えればいい。目の前の相手と勝負するだけ」と動じない。先発7回で8三振を奪った初戦2回戦、加茂暁星戦(7-0、7回コールド)以来の登板で14奪三振。量も質もレベルが上がった。

鈴木崇監督(41)は「田中のしっかりした面が出た」とたたえた。23日に予定されていた試合が雨で1日順延。田中はキャッチボール、体幹トレなどで調整した。「もともと予報が雨だったので順延もあると思って準備していた」と精神面にも隙はない。3大会連続12度目の甲子園へ、あと2つ。プロ注目の大器がアクセルを踏み始めた。【斎藤慎一郎】