第104回全国高校野球選手権大会(6日開幕、甲子園)の組み合わせ抽選会が3日、大阪市内で行われ、48年ぶり出場の盈進は大会2日目の7日に鶴岡東(山形)と対戦することが決まった。同日は佐藤康彦監督の48歳の誕生日。主将の朝生弦大外野手(3年)は「ワクワクしている」と夢舞台のイメージを一層膨らませた。

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抽選会会場のフェスティバルホール。左前方の席に並んだ盈進ナインに緊張が走った。壇上の朝生主将(3年)が引いたくじは「大会2日目の7日」だった。選手たちは声こそ出さなかったが、一様にうっすらと笑みをこぼした。

内心、最も動揺していたのは佐藤監督かもしれない。「(自分は)甲子園が初めてなので何日目がいいとか悪いとかは分からないんですが…。ただ2日目を引くと私の誕生日になってしまう。それだけは外してくれと思っていました。引いてしまいましたね(笑い)」。どんぴしゃりの日程に思わず苦笑いした。

その後、相手が鶴岡東に決まった。19年夏には甲子園で2勝している山形の実力校だ。朝生は試合を待ち切れない様子だった。

「初戦の相手が決まって、やっと甲子園が始まったとワクワクしています。どのチームも“無敗”のチームなので、気を引き締めてやっていきたい。地元の方にたくさん応援をいただいたので、やってやるぞという気持ちです」。

広島新庄、広陵、広島商などが敗れていく熱戦の広島大会を制した。7試合で打率6割1分5厘と絶好調だった3番秋田浩侑内野手(3年)は相手が決まっても、気負うことなく初戦を見据えた。「会場と相手チームが全国に広がるだけ。広島大会のイメージそのままでやっていけたらと思っています」。広島大会で出た守備のほころびを修正するため、決勝後は走者をつけたケース別ノックで、野手の動きを再確認。課題をつぶしてきた。

佐藤監督は「鶴岡東さんは経験もあるし、胸を借りなきゃいかんなと思っています。うちは盈進の球場でやってきたものを甲子園球場で出す。その1点です。投手を含めた守りをきっちりとして、先取点を取れるかがポイントですね」とプランを描いた。前回出場した48年前は、佐藤監督が生まれた夏だ。白星が何よりのプレゼントになる。【柏原誠】

◆盈進(えいしん) 1904年(明37)に男子校の盈進商業実務学校として設立した私立校。62年2月に現校名になった。89年から男女共学化。普通科からなる中高一貫校。生徒数は801人(女子368人)。野球部は1921年(大10)創部で部員77人。夏は今回が3度目の甲子園で春はなし。主なOBは阪神江草2軍投手コーチ、元阪急永本裕章。所在地は福山市千田町千田487の4。延和聡校長。

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