二松学舎大付(東東京)が新たな歴史を刻んだ。

1番親富祖(おやふそ)凪人外野手(3年)が、甲子園で同校初のサヨナラ勝ちを決めた。2年連続の初戦突破で、夏の甲子園で初戦は負け知らずの5連勝。市原勝人監督(57)は「新しい歴史をこの子たちが作ってくれたと思って感無量でした」と話した。

1万3000人の観衆の視線を、一身に集めた。2-2で迎えた9回1死一、二塁、親富祖が打席に向かった。小林主将からは「お前がなんとかしてこい」と送り出された。カウント2-1から、狙っていた直球を左前へ。この一打が左翼手の失策を誘い、二塁走者が生還してサヨナラ勝ち。球場の雰囲気をしっかり味わい「緊張というのはなくて、すごい楽しめた。小さい頃から憧れていた甲子園で、こういう場面で打席が回ってきて立てる喜びというか、うれしさというか」と振り返った。

悔しさを、大舞台で晴らした。「記憶にめちゃめちゃ残っている」試合が、昨秋都大会決勝の国学院久我山戦。2点リードして迎えた9回2死満塁、右越えの打球をグラブに当てたが、捕球しきれずこぼした(記録は二塁打)。優勝まであと1死から、逆転サヨナラ負け。センバツ出場も果たしたが初戦敗退で、この夏に懸けていた。「(昨秋)あの悔しい終わり方をして、夏勝てるために今までやってきたので、その結果が出て良かった」。すべては、この日の勝利につながっていた。【保坂恭子】

▽二松学舎大付・辻(先発し8回途中1失点の好投)「チームが勝てたのがうれしい。一番頼りになるのが親富祖だったので、打ってくれると思っていました」

▽二松学舎大付・大矢(先制犠飛を含む2打点)「(3回は)1-0というもう1点欲しい場面で1本出せて良かった。チームの力になれたのかなと思う」

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