今夏の高校野球選手権新潟大会で準優勝した帝京長岡の茨木秀俊投手(3年)が24日、プロ志望届を提出することを明らかにした。9月に入ってから提出する。セ・パ12球団が視察に訪れる最速147キロの右腕。同校初のプロ野球選手誕生と、その後の活躍を描きながら、ドラフト会議(10月20日)の指名を待つ。

茨木の言葉は力強かった。「プロ志望届を提出することにしました」。新潟大会決勝は延長11回、1-2で日本文理に敗れ、帝京長岡の甲子園初出場を逃した。あれから27日。同校初のプロ野球選手になる意思を明確にした。

「ぶれずに決めた」と言う。23日に芝草宇宙監督(53)と話し合いプロ志望を確認。その後、北海道の実家の父幸雄さん(53)、母豊味さん(50)に電話して決意を伝えた。両親には3日から14日まで帰省した際に本心を話し「意思を尊重する」と後押しを受けていた。

夏の新潟大会には初戦から全12球団のスカウトが訪れた。「身体能力が高いし、まだ未知の力がある。自分がスカウトならそう報告する」。日本ハムで投手コーチ、スカウトの経験がある芝草監督は素質を高く買う。今夏の準々決勝、東京学館新潟戦で記録した147キロが最速だが、引き出されていない力がまだまだ詰まっている。

夏の甲子園はテレビ観戦した。刺激を受けたのは近江・山田陽翔投手(3年)、そして新潟大会決勝で投げ合った日本文理・田中晴也投手(3年)。田中は右手人さし指のまめをつぶし、1回戦で海星に0-11で敗れたが「力を込めて投げていた。あのくらいの気持ちでなければ」と闘志を感じ取った。「いずれプロで対戦して、今度は絶対に勝つ」と今まで以上にライバル心を燃やす。

部活は引退したが、今後も後輩たちにまじって汗を流す。「後輩たちの手本」と芝草監督が言うほど向上心は強い。「万全の準備をして待ちたい」。茨木は10月20日を楽しみにした。【斎藤慎一郎】

◆茨木秀俊(いばらぎ・ひでとし)2004年(平16)6月8日生まれ、北海道出身。手稲中央小2年から手稲ヤングスターズで野球を始め、3年から投手。手稲中では硬式野球の札幌東シニアに所属し、3年時に全国選抜大会に出場。帝京長岡では1年夏の県独自大会からベンチ入り。好きなプロ野球選手はソフトバンク千賀滉大、オリックス山本由伸。182センチ、85キロ。右投げ右打ち。