プロ注目の最速147キロ左腕、知内の坂本拓己投手(3年)が30日、プロ志望届を提出した。提出日について大安の日を選んだことを明かし「提出したことによってなにかが変わるわけではない。提出したからこそ、これから夢の実現のために、もっと自分のできることをやっていけたら」と気を引き締めた。

高校最後の夏はあと1歩のところで甲子園に手が届かなかった。同校初の夏甲子園出場をかけた南北海道大会の決勝で札幌大谷に2-7で敗れた。先発登板したが7回10安打5失点。元々プロ志望ではあったが、夏の悔しさが、より上の舞台で野球を続けたいという気持ちにさせた。「夏休み中にもう決めてはいた」と意思は固まっていた。

1週間ほど前に吉川英昭監督(46)、両親とともに進路について面談。「親の判断もしっかり聞いて、それで出しますというのをそこで決めました。親は自分のやりたいことをすすめてくれる。それがしっかり後押しになったので、親の気持ちも背負って」と感謝の気持ちを持ちながら、志望届提出に至った。

北海道奥尻島で生まれ育った。同島出身のプロ野球選手には現役時代に通算165勝を挙げ、引退後は阪神、オリックス、日本ハム、楽天などで投手コーチを務めた佐藤義則氏(67)がいる。佐藤氏はダルビッシュ有、田中将大らを育て上げた名コーチでも知られている。これまで直接、接した機会はないが「投手として上までいっている選手なので、すごく尊敬している。島から2人目のプロ野球選手になれたら」と思いを口にした。

夢のプロ入りを目指して日々トレーニングを重ねている。ブルペンで投球練習を積みながら、インターバル走やウエートトレーニングなども行い、体づくりにも力を入れている。「自分の持ち味を生かすということが最大の武器だと思う。もっと真っすぐの質を上げていって、完成度を上げていけたら」。運命のドラフトまであと50日。練習を重ね、その時を待つ。