旭川や空知など8地区で代表決定戦が行われ、全道出場20校が出そろった。旭川地区で、旭川明成が今夏の甲子園出場校、旭川大高に2-1で競り勝ち、2年連続6度目の全道切符を手にした。全道大会は21日に札幌市内で抽選会が行われ、30日に札幌円山と札幌麻生で開幕する。

旭川明成の植木玲陽(れお)遊撃手(2年)が1-1の延長10回表2死一、三塁で決勝の右前適時打を放ち、今夏の甲子園出場校から勝利をもぎとった。「みんながつないでくれたので絶対に試合を決めたかった。指3本分バットを短く持ちました。打ったのはストレート」と、チームを4季連続道大会に導く決勝点の場面を振り返った。

勝負強さは、父正人さんの弟正順さん譲りだ。伯父のニックネームは「小さなエース」。150センチ台の小柄な体格で、旭川大高を00年夏の甲子園に導いた。植木が野球を始めた幼稚園のころから、キャッチボールや草野球を一緒に楽しみ、アドバイスも受けた。甲子園で力投するビデオも見て、目標にしてきた。

その正順さんにかつて「常に自分で試合を決めるという気持ちを持ってプレーしなさい」と言われたことがある。この日は決勝点のほかに、守備でも旭川大高の山本博幸監督(42)が「ショート(植木)に守り切られた」というほどの好プレーを連発した。「今日は伯父に言われたとおりにできました。全道でも2勝、3勝…。あわよくば甲子園」と植木。伯父の母校を倒した勢いで、伯父が躍動した聖地をうかがう。