ヤクルト村上宗隆の弟で今夏甲子園出場の九州学院・村上慶太内野手(3年)が猛打の奮闘ぶりだ。1点を追う5回、速球をとらえて左翼に流し打った打球はスタンドイン。高校通算7本塁打の同点ソロアーチを放った。「いい形で打てた。(バットの)芯的に入ったと思わなかった」。2点を追う3回1死二、三塁でも変化球に間合いを計り、中前に同点の2点適時打。勝負強さを見せつけた。

兄は日本選手最多のシーズン55本塁打を放ち、日本中から注目を集める。慶太はヤクルトが優勝した9月25日、神宮で家族とともに歓喜の瞬間を見守った。

「すごいところでプレーしている。自分とは全然、次元が違う。異次元の世界です。(本塁打が出ず)つらそうですし、キツイと思う。でも、55本打っています。気負わず、頑張ってほしい」

自身もプロ志望届を提出しており、NPB入りを熱望している。「小学校のころからプロ野球選手になりたかった。育成以外、支配下だけ。(兄と)一緒にやりたい」と気合十分だ。プロを目指す覚悟を固めたのは兄のひと言がキッカケだった。22年の年明け早々、進路を相談し「可能性があるなら挑戦しろ」と後押しされ、決心した。「一生、村上宗隆の弟はつきまとうと思う。プラスに考えて、これから自分のプレーで『村上慶太の兄』と呼ばせるように頑張ります」と豪快に笑わせた。190センチ100キロの恵まれた体を生かし、夢にみてきた世界にチャレンジする。【酒井俊作】