加藤学園が2年ぶり4度目の東海大会出場を決めた。残り1枠の東海切符を懸けた3位決定戦で、知徳に7-0の7回コールドで快勝。1番太田侑希主将(2年)の先制打を皮切りに、投打がかみ合った。決勝は、常葉大菊川が常葉大橘に3-0で勝利。16年ぶりに実現した「常葉対決」を制し、2007年以来15年ぶりの優勝を飾った。東海大会は、11日に組み合わせ抽選会が行われ、22日に静岡県内で開幕する。

加藤学園ナインの思いを乗せた打球が、芝生に弾んだ。0-0の2回2死満塁。太田が打席に立った。「みんなが回してくれた。心に火がついた」。カウント1-1からの3球目。外角高めの130キロ直球を中前に運んだ。先制の2点適時打。「チームのために打てて良かった」と、ベンチへ何度も拳を突き上げた。

3位決定戦までの7試合(東部地区予選を含む)でチームが挙げた6勝は、いずれも先制点から流れを掌握して快勝。自らの一打で“必勝パターン”に持ち込むと、チームが好転した。エース大木漣(2年)が、4安打無失点。打線も得点を重ね、「残り1枚」の東海切符をつかみ取った。

前日1日の準決勝では、常葉大橘に大敗。試合後はミーティングを行い、約1時間の自主練習に励んだ。太田は「次は大事な場面で打つ」と切り替え、黙々とバットを振った。この日は4打数1安打に終わったが、勝負どころの2打点が効果的だった。「序盤で良い雰囲気をつくれて良かった」と胸をなで下ろした。

東海大会開幕まで残り3週間。「流れが悪い時の対応に課題が残った。意識してやっていきたい」と反省も忘れなかった。初出場を決めた20年センバツは、コロナ禍で中止。先輩たちの思いも胸に、聖地へと突き進む。【前田和哉】