11年以来のセンバツ出場を狙う東北(宮城1位)が八戸工大一(青森3位)にサヨナラ勝ちし、初戦を突破した。伊達一也内野手(2年)が同点の9回に右前へのサヨナラ打を放ち、8強入りを決めた。チームは13日、準々決勝で山形中央(山形1位)と対戦する。

名門が意地を見せた。1点を追う4回以降は、2番手で救援登板した秋本羚冴投手(2年)がスコアボードに「0」を並べ、反撃を待った。打線は8回に金子和志内野手(2年)の適時打で同点とし、伊達が9回1死二、三塁で低めのスライダーを振り抜き、サヨナラの一打は一、二塁間を破った。「(打球は)ボテボテだったが(勝利を決めて)最高です」と笑顔だった。

新体制で初の「東北1勝」だ。同校OBで現役時代は巨人でプレーした佐藤洋監督(60)が今秋から就任。9月の県大会では12年ぶりの優勝を果たし、県1位で東北大会出場を決めた。各県の強豪が出場ひしめく大会で1勝を積み上げたが、佐藤監督は「勝ったから『よっしゃー』というのはないです。選手が成長してくれるのが一番。結果は後からついてくるので、自分たちのやることを淡々とやって、その結果をみんなで受け止めてやっていければ」と話した。

先発したハッブス大起投手(2年)はこの日、3回4安打2失点で降板も、最速144キロをマークした。佐藤監督は「力みはなかったが、やはり初戦の硬さ。。成長するごとにエースの責任の重さに気づいてきたと思うので、少しプレッシャーになったのかなと思います」と振り返った。