名門復活のカウントダウンだ! 東北(宮城1位)が、山形中央(山形1位)に2試合連続となる4-2の逆転勝ちで、優勝した10年以来12年ぶりの準決勝に駒を進めた。

神様は見ていた。1-2で迎えた8回2死満塁。「楽しんでやろう」と打席に立った山田翔琶(とわ)内野手(2年)は、5球目の外角低めスライダーをボテボテの投ゴロ。「当たったときは『うわっ』と思いましたが、『どうにかなれ』と思って全力で走りました」と一塁へ全力疾走しヘッドスライディング。その激走に慌てた相手投手が一塁へ悪送球。その間に二塁走者も生還し、一気に逆転に成功した。山田は盛り上がるベンチと応援席に向かってガッツポーズ。「今までつらいことを頑張ってきた。神様が見ていてくれて逆転できたと思います」。16年夏以来の聖地へ、この先も人事を尽くして天命を待つ。【濱本神威】

◆山形中央(山形1位) 先発した最速144キロ左腕、武田陸玖(2年)が終盤勝負に泣いた。2点リードの8回。1死から犠打と四球を含む長短4連打を許し4失点。完全に打ち取った打球が内野安打となるなど、球運にも見放された。4回まではノーヒット投球。キレのある直球に90キロ台の変化球を織り交ぜ、7回を終え2安打8奪三振。好投もむなしく、悔いの残る1敗となった。「終盤に弱さが出た。粘り強い投手を目指したい」と話した。