明治神宮大会で20日、連覇を狙う大阪桐蔭(近畿)が、試合中にクラーク(北海道)の佐々木啓司監督(66)から直接注意を受ける、異例の一幕があった。2回の大阪桐蔭の攻撃中、ベンチから大声を出す大阪桐蔭に向かって同監督が「いつまで声を出しているんだ。ピッチャーが投げているのに」と注意した。投球動作中の大声は投球の妨げやボークを誘う可能性があり、審判が注意することがある。大阪桐蔭はコールド勝ちで準決勝に進んだ。

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両校の選手が一瞬固まった。大阪桐蔭の2回の攻撃中だった。敵失で2点目を挙げ、なおチャンスが続く場面。大阪桐蔭ナインはベンチ最前列からグラウンドに向けて大声を出していた。それを見たクラーク・佐々木監督が「いつまで声を出しているんだ。ピッチャーが投げているのに」とベンチから怒号を飛ばした。

大阪桐蔭ナインは西谷監督の指示もあり、投手がセットポジションに入ってから投げ終わるまでは声出しをやめた。西谷監督は「(佐々木監督が)怒っておられましたね。僕の認識では『逃げた!』(走者が盗塁を試みること)とか『GO!』とか何かを誘発することは言ってはダメと思っていた。まだ新チームで一生懸命、声を出していただけなので。それでもダメなのなら僕の勉強不足です」と困惑気味に説明した。

また、日本高野連によると、両校に対して試合後に聞き取りや注意をすることはなかった。

▽日本高野連・小倉事務局長 一般的に、明らかに試合の中でプレーに支障があるような声を出していたら、審判の判断で注意をする時もある。今回、それを審判長と確認しました。

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