日本学生野球協会は20日、緊急の審査室会議をオンラインで開き、部員への体罰で謹慎している東海大菅生(東京)若林弘泰監督(56)の処分が決定した。

若林監督は部内体罰と報告義務違反のため昨年12月5日から4カ月の謹慎処分。宮原上総部長(33)は報告遅れのため昨年12月5日から1カ月の謹慎となった。

若林監督は昨年8月30日の練習試合で、カバリングを怠った部員Aのお尻を蹴り、厳しく叱った。

11月1日に監督と部長、部員Aの保護者と面談した際に、部員Aが体罰について初めて話した。11月22日に校長と担任、部員Aと保護者で面談した際、部員Aと保護者から「(今回の事を)荒立てないでほしい」という話があったため、東京都高野連への報告を怠った。

12月26日、部員Aの保護者が東京都高野連へ電話で情報提供し、東京都高野連から日本高野連に連絡を入れ、学校から出された報告書を高野連へ送付した。部員Aからは、警察に被害届が出されている。

その後、週刊誌の報道を受けて学内で再度聞き取りを行い、新たに昨年8~9月の体罰2件が明らかになった。

体罰を受けた3人の部員は、いずれもケガはしていない。

東海大菅生は、甲子園に春夏通じて8度出場している強豪。

昨秋の東京大会でも優勝し、今春センバツ出場が濃厚となっているが、出場校の選考と発表が行われる27日を前に処分が決まった。今後、センバツの臨時運営委員会が行われ、出場の推薦校の扱いについて審議が行われる。

◆若林弘泰(わかばやし・ひろやす)1966年(昭41)4月22日、神奈川県生まれ。東海大相模、東海大、日立製作所から91年ドラフト4位で中日入団。投手としてプロ通算17試合1勝1敗。会社員を経て、高校の教員免許取得。社会科教諭として東海大菅生に着任し、09年より野球部監督。甲子園出場は春2度、夏2度。最高成績は17年夏の4強進出。

◆東海大菅生 1983年(昭58)に東京菅生高校として創立。89年(平元)現校名に。生徒数は1208人(女子386人)。野球部は創立と同時に創部。部員数は68人。甲子園は春4度、夏も4度の出場。最高成績は17年夏の4強。主なOBは巨人高橋優貴、中日田中幹也ら。所在地は東京都あきる野市菅生1817。峰岸英仁校長。