第95回記念選抜高校野球大会(3月18日開幕、甲子園)に、常葉大菊川が出場します。日刊スポーツ静岡版では、2013年以来10年ぶり5度目となる春の大舞台に挑むチームを紹介する連載「いざ10年ぶり春の陣へ」を始めます。

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辻樹人外野手(2年)は偉大な背中を追う。近江からドラフト5位で西武に入団した山田陽翔投手(18)と同じ大津瀬田ボーイズ(滋賀)出身。プレーを共にした先輩は昨年、エースで4番として甲子園を沸かせた。辻は「身近な人が活躍してすごく刺激になった。自分も活躍して勝利に貢献したい」と意気込む。

昨年の秋季県大会は、西部地区予選を通じて出場8試合で21打数5安打。打率2割3分8厘にとどまった。県大会中に頭部死球を受け「外角の球でも腰が引けていた」。恐怖心も重なり不振に陥ると、東海大会は控えに回った。

支えになったのは、石岡諒哉監督(33)の言葉だった。「『目先の結果より先を見据えてやればいい』と声をかけてもらった。楽になった」。置きティーを中心とした自主練習で1球1球、丁寧にフォームを確認。黙々とバットを振り、必死に感覚を取り戻した。

迎えた昨年12月の紅白戦。内角低めの直球を捉え、左翼に推定120メートル弾を放った。「徐々に良くなっている」。182センチ、78キロの体を生かした力強い打撃が戻り始める中、1次登録メンバー発表で背番号「9」が与えられた。辻は「甲子園ではホームランも打ちたい」。指揮官の期待に応える1発を放ち、聖地を沸かせる。【前田和哉】

◆辻樹人(つじ・みきと)2005年(平17)5月12日、滋賀県大津市生まれ。小4から真野SSで野球を始め、中学時代は大津瀬田ボーイズでプレー。右投げ右打ち。家族は両親と兄。血液型A。