今春のセンバツに出場する広陵(広島)の真鍋慧内野手(2年)が意外な魅力を披露した。

高校野球の練習試合が全国で一斉に解禁された4日、倉敷工(岡山)との練習試合に緊急登板。139キロの快速球で最終回のピンチをしのいだ。

4点差に詰め寄られた9回1死満塁で登板を命じられた。「いきなりでびっくりした」。一塁から笑顔でマウンドに向かい、189センチの長身からスリークオーターの投法を披露。1人目を投飛、2人目は139キロで空振り三振に切り、完璧な火消しをしてのけた。

中学時代は投手兼任。高校では昨秋の練習試合で1度緊急登板。ピンチで打たれたが、142キロを計測した。その後は1度も投球練習をしていない。投手としてもポテンシャルは十分だ。「新鮮な気分で楽しいです。いつも急に言われるので、準備したらもっと球速は出ます」と大笑いした。注目の打撃では10打席で6の1、3四死球、1犠飛。「最初の試合だったのでもっと打ちたかったですね」と頭をかいた。

センバツV候補の広陵は、この日そろって快投した高尾響(1年)、倉重聡(2年)ら強力投手陣を擁する。中井哲之監督(60)は「今日はもう投手がおらんかったからね。甲子園でもあるかもしれんよ…」と秘密兵器の投入をチラつかせた。【柏原誠】