第95回記念選抜高校野球大会(3月18日開幕、甲子園)に、常葉大菊川が出場します。日刊スポーツ静岡版では、2013年以来10年ぶり5度目となる春の大舞台に挑むチームを紹介する連載「いざ10年ぶり春の陣へ」をお届けします。

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第95回選抜高校野球大会(18日開幕、甲子園)の組み合わせ抽選会が10日、大阪市内で行われた。

エース久保綾哉投手(2年)の気合がみなぎった。この日、初戦となる2回戦の相手が専大松戸(千葉)に決定。「甲子園が近づいたと、より実感した。関東準優勝校でプロ注目の平野(大地)投手もいる。強いチームだけど投げ勝ちたい」と表情を引き締めた。

背番号「10」で臨んだ昨年の秋季大会は、11試合中9試合(先発6)に登板。県大会で22イニング無失点を記録し、東海大会でも準決勝の加藤学園戦(2○0)で完封とフル回転した。「自信になった」。自らの手で背番号「1」を勝ち取り、大舞台に乗り込む。

中学までは4番手投手。本人も「1番を背負うなんて想像もできなかった」と話す。転機は昨秋。補食を取り入れ、体重は入学当時から約8キロ増加。黒沢学部長(45)の助言で「体重移動」を意識したフォーム改善にも取り組み、急成長した。「下半身が使えるようになったことでリリースポイントが安定して、プレートを蹴る力もついた」。

丁寧にコーナーを突く、制球力が魅力の左腕。聖地でも、持ち味を存分に発揮する。「もっと精度を上げて、甲子園でもチームを勝たせる投球がしたい」と誓った久保。初戦まで残り約10日。さらに、ギアを上げる。【前田和哉】

◆久保綾哉(くぼ・りょうや)2006年(平18)8月28日、神奈川県生まれ。小3から馬場ブルーファイターズで野球を始め、中学時代は都築中央ボーイズ所属。左投げ左打ち。家族は両親と弟2人。178センチ、77キロ。血液型O。