光・升田早人投手が99球で完封。いわゆる「マダックス」を達成した。マダックスとは、100球未満での完封を意味する言葉として使われる。86~08年に大リーグのブレーブスなどで通算355勝を挙げ、殿堂入りした大投手グレグ・マダックスは、通算35完封のうち13度を100球未満で達成。抜群の制球力は「精密機械」と呼ばれた。球数で管理される現代の野球では、プロアマを問わず理想的な投球となる。

甲子園のマダックスはたまにあるが、11奪三振で記録したのは珍しい。奪三振が多いと球数は増える。センバツで2桁奪三振でのマダックスは92年西岡修二(天理=対米子商で91球、10奪三振)、12年浜田達郎(愛工大名電=対宮崎西で95球、14奪三振)に次ぎ、最近50年で3人だけ。プロでも最近50年では06年5月9日の新垣渚(ソフトバンク=対広島で94球、12奪三振)しかいない。【織田健途】