昨年のリベンジへ仕上がりは万全だ。第95回選抜高校野球大会(甲子園)に2年連続で出場するクラークが25日、第1試合で沖縄尚学と対戦する。3番投手として起用される可能性が高いエース右腕、新岡歩輝主将(3年)は勝利へ導くべく完投を宣言。昨年初戦で九州国際大付(福岡)に延長10回サヨナラ負けを喫した悔しさをぶつけ、初の聖地勝利を狙う。

   ◇   ◇   ◇

クラークのエース右腕、新岡主将が背番号1を背負い初めて甲子園のマウンドに挑む。試合前日の練習を終え、落ち着いた表情で言葉を発した。「完投はしたい。自分が抑えれば勝てるので、最少失点でいけるような投球をしたい」と意気込んだ。この日、大阪・豊中市内で行った紅白戦で先発登板し3回1失点。「調子はいい」と初戦へ準備を整えた。

沖縄尚学打線への投球のイメージはできている。「内角を使っていかないと抑えられない。内角が大事になってくる」。相手は出場36校中トップのチーム打率4割7厘を誇る。18日の大垣日大との1回戦では10安打。特に4番仲田侑仁一塁手(3年)は決勝の満塁本塁打を含む3安打4打点と当たっているだけに警戒する打者の1人だ。「変化球あっての自分の投球スタイル。手応えはある」と磨いてきたスライダーをはじめ、持ち前の緩急を使っていく。

打順は3番で起用される可能性が高い。紅白戦の1打席目に左越えに1発を放つと、3打席目には同じ方向へライナー性の打球で柵越えを披露した。「大振りせずコンパクトにつまらずにうまく打てたかなと思う」。5番遊撃で出場した昨年センバツは4打数無安打だっただけに「明日打たないと意味がないので、明日打てるよう」と気を引き締めた。

初戦には故郷青森から両親も応援に駆けつける予定だ。昨年9番中堅で出場していた兄真輝(18)とともに兄弟で勝利を目指したが、九州国際大付に延長10回サヨナラ負け。1年前の悔しさを思い返しながら「家族に勝っている姿を見せたい」と話す。同校としては春夏通算3回目の甲子園で初の勝利を狙う。「うまく打たせながらリズムをつくっていきたい。いつも通りという気持ちで」と満を持して腕を振る。【山崎純一】

○…佐々木啓司監督(67)が打線の仕上がりの良さを強調した。紅白戦で新岡主将が2本塁打、5番起用の可能性が高い中村光琉(ひかる)三塁手(3年)が右越えに1発を放つなど主軸打者が結果を残した。「明日の沖縄尚学戦で楽しみな感覚、十分な手応えを感じている」とうなずいた。最速145キロの相手右腕東恩納蒼投手(3年)に対する準備も整えた。

◆北海道勢の対沖縄県勢甲子園成績 春夏通算2勝6敗。60年春の初対決で北海が那覇に勝利するなどセンバツは2戦2勝だが、夏は0勝6敗。85年夏は1回戦で函館有斗(南北海道)、2回戦で旭川龍谷(北北海道)が沖縄水産に連続で敗戦。87年夏は、のちに大洋ドラフト1位指名の盛田幸妃投手を擁した函館有斗が2-3で沖縄水産に競り負けた。