福岡大大濠が2試合連続の7回コールドで日本ウェルネス沖縄を下し、21年春季九州大会以来の4強入りを決めた。ソフトバンク甲斐拓也捕手に憧れるプロ注目で強肩強打の主将、4番・藤田悠太郎捕手(3年)が先制適時打や、二塁打2本で強力打線をけん引。2投手を好リードして、2失点に抑えた。

「甲斐2世」の藤田が、3安打1打点1得点の活躍で、2連続コールド勝ちに貢献だ。「ファーストストライクは甘い球が来る。自分のタイミングで初球から打てば、ヒットの確率が上がる」との信条で、ファーストストライクから積極的に振る姿勢が生きた。

1回1死一、三塁。初球スライダーを強振。引っかけたボテボテの三ゴロが内野安打となり、先制点につげた。3回は2ボールから3球目の真ん中直球を張って中越え二塁打、5回は2球目の甘く真ん中に入った変化球を左翼線二塁打にした。得点にはつながらなかったが「タイミングを考えて、しっかり触れるよう準備していた」と、4番の役目を果たした。

好リードも見せた。4回から2番手で登板した右の本格派、松尾尚哉投手(3年)を巧みにリード。140キロ前後のキレのある直球を軸に組み立て「松尾は真っすぐのキレで勝負できる。スライダーなど変化球が低めで、打たれる感じはなかった」。4回、先発が2点本塁打を浴びて失いかけた流れを渡さなかった。

将来の目標はプロ入りで、憧れは「同じ身長で、フットワークは見習わないといけない」という170センチのソフトバンク甲斐。高校通算37本塁打、二塁送球1・83秒の強肩強打で、優勝へけん引する。【菊川光一】