智弁学園の「村上2世」中山優月投手(3年)が7回1失点の好投で完全復活をアピールした。

奈良県屈指の最速146キロ右腕。3月に発症した右肘の痛みが癒え、今春初めて先発した。低めに伸びる直球にスライダーを効果的に使い、相手を翻弄(ほんろう)した。

「力を入れず、少ない球数で省エネを心がけました。先頭に四球を出したり、無駄な球がまだあったので、なくさないといけない」と反省を忘れなかった。

兵庫・淡路島の洲本市で生まれ育った。中学時代は、智弁学園OBで現在大ブレーク中の阪神村上頌樹投手(24)と同じ「ヤング淡路」でプレー。中学2年の冬、東洋大のエースだった村上がグラウンドを訪れた際、一緒にブルペン投球を行った思い出がある。

「直球のベース上での速さ、勢い、質が全然違いました。その時からあこがれが強くなりました」。村上から授けられた「何があっても野球をやめず、上を目指せ」というメッセージを大事に胸に抱く。先輩の背中を追いかけて同じ奈良の名門に進み、ここまで成長を続けてきた。

昨年から投打で主力を務め、この日も「4番投手」でスタメンした。智弁学園の躍進に中山の存在は欠かせない。「去年から出してもらっているのでチームに貢献しないといけない。重圧の中でも結果を出し続けて、最後1回のチャンスを必ずつかみたい」と強い意志を示した。【柏原誠】