昨年11月に日米通算4367安打のイチロー氏(49=マリナーズ球団会長付特別補佐兼インストラクター)の指導を受けた都立の進学校・新宿(東東京)は初戦を7回コールドで勝利した。田久保裕之監督(41)は「夏の結果をイチローさんもチェックしてくださっていると思う。勝ったぞというのを届けたかった。背中の後ろでイチローさんが見てくれているのを感じる。『ちゃんとやってね』と言われていたので、うちにとっては、幸せなプレッシャーがありました」と話した。

背番号10の生田琉晟投手(1年)が初戦の先発を任された。緊張から制球が乱れたが、初回2死満塁のピンチで、左翼手の野口遼河外野手(2年)がレフト前に落ちそうな当たりを猛ダッシュして好捕。無失点で切り抜けた。

1-2で迎えた6回、先頭から3連打でチャンスをつくると、敵失もからみ打者一巡の猛攻で一挙10点を奪った。

7回にも守備で好プレーを見せた野口は、イチロー氏から外野守備の指導を受けた「1歩目にやみくもに動くのではなくて、落下点が分かってから出す」ことを徹底。「判断ミスがなくなって、タイムロスをしなくなった」と教えを実践した。

昨年のチームは、夏に23年ぶりに4回戦進出を果たした。秋からの新チームでは、これが公式戦初勝利。中沢志弥主将(3年)は「目標は甲子園なので、まだまだ。1戦ずつ戦っていくことが大事です」と話した。