オリックス、巨人などで活躍した谷佳知氏(50)を父に、女子柔道48キロ級で00年シドニー、04年アテネ五輪金メダルの谷亮子氏(47)を母に持つ、東京学館浦安の谷佳亮(よしあき)外野手(3年)が2試合連続本塁打を放ち、チームの16強入りに貢献した。

1-2で迎えた3回の第2打席。谷は初球のストレートをフルスイングした。球はぐんぐん伸びる。「入れと。風に乗ってくれた」。祈りが通じたかのように打球は右翼スタンドに入った。3回戦の県船橋戦に続く、高校通算13号となる貴重な同点本塁打。打球の行方を確認した後、右手を高く上げて喜んだ。7回にも右前打を放ち、チームも8-4で勝利した。

両親から引き継いだ研究心と観察眼をいかした。無安打に終わった初戦の桜林戦後「見極めができていなかった」と反省。試合に向けて、相手投手の映像をじっくり見た。本塁打の前の第1打席は初球、2球目とストライクを見送る。最後は空振り三振に終わったが、しっかりと相手投手の球筋を頭に入れた。そして次の打席で即結果を出した。

2試合連続本塁打を見て、跳び上がって喜んだ母からは前夜に鶏のみぞれあえとあさりのみそ汁を作ってもらい、この日は午前9時からの第1試合に備え、3時起きで、トマトのパスタの朝食と弁当を作ってくれた。「サポートをしっかりしてくれてパワーになります」と両親に似た優しい目で笑顔を浮かべた。

高校から野球を始めた。当初はキャッチボールもうまくできない状態から昨秋にレギュラーをつかみ、この日は2試合連続本塁打。目標でもある父からは「(1番打者の)切り込み隊長として勢いをつける役目を果たした。日々成長している」と認められた。

次戦はZOZOマリンスタジアムでベスト8を懸けて戦う。「粘って、チームが落ちないように、全力で戦う」と勝利を期した。

◆谷佳亮(たに・よしあき)2005年12月31日、兵庫県生まれ、東京都育ち。小学3年からアイスホッケーを始め、中学2年まで打ち込む。東京学館浦安高入学後に野球を開始。50メートル走は6秒1、遠投は89メートル。174センチ、68キロ。左投げ左打ち。