ノーシードの岩倉(東東京)が、ジャイアントキリングを起こした。

エースで4番主将の最速142キロの本格派右腕、大野巧成(こうせい)投手(3年)が投打で活躍した。先発し、9回を被安打9の6奪三振、5失点(自責3)、140球で完投。4番としては、初回に先制の適時二塁打を放つなど3本の二塁打を放った。「直球が走っていた。気持ちとボールが一体になっていた。飛ばしていきました」と笑顔で話した。豊田浩之監督(47)は「よく戦ったと思います。(大野は)テンポよく投げていた。今年は不思議なチーム。ここでそんな働きをしてくれるの? と驚くような活躍をしてくれる選手たち」と話した。

大野は創価(西東京)では1年夏に投手と外野手として背番号13でプレーしたが、退学。2年から出身の東久留米シニアの先輩やチームメートがいる岩倉に転校した。公式戦に参加できない1年を経て、実力を認められて3年春から主将を任された。

気迫の投球とバットの両方でチームをけん引し「(転入した時)心優しく受け入れてくれて、のびのびとプレーさせてもらっている。受け入れてくれて、感謝しています」とチームメートへの思いを明かした。豊田監督は、大野について「力のある相手に向かっていくマインドがある選手。上昇志向が強いので、他の選手も『行けるんじゃないの』と思えるようになった」と話した。