<高校野球兵庫大会:神戸国際大付3-2報徳学園>◇21日◇5回戦◇明石トーカロ

センバツ準Vの報徳学園(兵庫)が涙で散った。

高校通算14本塁打で強肩強打が売りの今秋ドラフト候補、堀柊那(しゅうな)捕手(3年)は主将として務めた保護者へのあいさつで涙があふれた。「悔しいし、申し訳ない気持ちが一番。メンバー外が死ぬ気で応援してくれて、期待に応えることができなかった」。夏は2年連続の5回戦敗退。短い夏になった。

初回に先制された直後、堀がバットで鼓舞した。「自分が初回で追いついてあげないとという気持ちだった」。相手エース津嘉山から同点打を放ち、両手で仲間をあおった。だが、先発の盛田智矢投手(3年)が4回途中2失点。2番手の今朝丸裕喜投手(2年)も7回に追加点を許した。捕手として「迷ったところで打たれてしまった。自分がしっかりリードしてあげれていれば…」と悔やんだ。

今春のセンバツでは「逆転の報徳」が何度もドラマを生んだ。この日も7回に1点差に迫り、なおも2死二、三塁だったが堀が凡退。「絶対勝つんだという気持ちを最後まで持って、全力で声を出した」が、あと1点が遠かった。

進路はプロを希望する。「志望届は出すと思います」と明かした。甲子園を沸かせた強肩捕手が、悔しさを糧に、次のステージに向かう。【林亮佑】