城西が、逆転勝ちで8強入りを決めた。1点を追う6回に、スクイズで同点に追いつき、7回に一挙3点を奪って勝ち越した。先発の溝口博斗投手(3年)が4回2/3を被安打4の1失点。背番号1の馬場力也投手(3年)が4回1/3を被安打1の無失点と試合をつくった。

今夏から就任した安保隆示監督(53)は「先のことは考えずに、一戦必勝できた。(この先も)一喜一憂しないで、やるべきことをやりたい」と話した。

1-1で迎えた7回無死満塁で、打席には宮川虎大(とらまさ)内野手(3年)。初球の直球をとらえ、左中間へ走者一掃の適時二塁打。ベンチは大盛り上がりだったが、ガッツポーズは控えめで「ホッとしました。まだ試合中だったので」と振り返った。

高校入学当時は捕手。打力を買われ、3年春から外野手と一塁手の練習も始めた。背番号は9ながら、堀越戦は一塁手で先発。ファーストミットはチームメートからの借り物だ。第4シードを倒しての8強入りに「チームがまとまって戦えている。次もチームプレーで、全員で頑張ります」と話した。

安保監督の信念は「切り替えること」と「楽しむこと」だ。浦和学院(埼玉)で森士前監督と24年間タッグを組み、部長やコーチを歴任した。「森前監督の『よくても悪くても切り替えよう。真剣勝負を楽しもう』という教えが自分の中にある。それはよく言っているので、選手にも浸透しています」と言う。城西に赴任して4年が過ぎ「一緒にやろうと声をかけた選手たちは、仲間や同士」。信頼する選手たちと、一戦必勝で79年以来の頂点を目指す。