聖光学院が、学法石川を延長10回タイブレークの激闘の末、11-10でサヨナラ勝ち。2年連続18度目の甲子園出場を決めた。6ー6で迎えた延長10回表、4得点を奪われたがその裏、2連続押し出し死球、三好元気外野手(3年)の左適時打などで同点に追いつくと、1死満塁で片山孝外野手(3年)の右犠飛が決勝打。主将の高中一樹内野手(3年)が、3安打6打点の活躍で、チームを甲子園へと導いた。

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聖光学院は準決勝までに48得点と、圧倒的な打撃力で勝ち抜いてきた。2-5で迎えた6回無死満塁、高中が走者一掃の中越え適時三塁打で5ー5。ベンチに向け、高々とガッツポーズを掲げた。「(ベンチが)本当に狂ったように喜んでいて…喜ばせることができて良かった」。その後、杉山由朗捕手(3年)の中犠飛でヘッドスライディングで生還。「体が限界を迎えて苦しかったが、強い気持ちを出すために」と、疲弊した体を熱い闘志とプレーで奮い立たせた。

“三度目の正直″だ。6-6と両者譲らぬ戦いは延長戦へ。聖光学院はタイブレークでの敗戦が過去2度あり、「正直、自信がなかった」と斎藤智也監督は振り返った。延長10回、中前適時打などで4点を奪われ6-10。「4点はあまりに重いと感じ、あきらめかけた」と斎藤監督。だが10回裏、執念で同点に追いつくと、この試合3失策の片山孝内野手(3年)が挽回の右犠飛を放ち、勝負を決めた。高中は「タイブレークを想定した練習をしていたので、焦りはなかった。最後は『絶対に勝つ』という気持ちが勝った」と、三度目の正直で甲子園切符を勝ち取った。

「日本一に向けてのスタートライン」。この日、昨夏の甲子園をともに戦ったOBの中大・安田淳平、立大・佐山未来らがスタンドで応援。3安打6打点の活躍をみせた高中は「応援が本当に力になった」と感謝した。「(高中は)攻守で明るい雰囲気をチームにもたらし、いい影響を与えてくれる」と斎藤監督も絶大な信頼を寄せる。チームの目標である「日本一」に向け苦闘の末、スタートラインに立った聖光学院。2年連続で東北へ優勝旗を持ち帰るため、決戦の地へ向かう。