春夏通算4度目出場のクラーク(北北海道)が前橋商(群馬)を下し、念願の甲子園初勝利をつかんだ。エース右腕新岡歩輝主将(3年)が9回121球を投げ、10安打1失点で完投。上手、横手、下手と腕の位置を変える「千手観音投法」で最少失点に抑えた。通信制高校の甲子園初勝利で、佐々木啓司監督(67)に3元号勝利をプレゼント。2回戦は佐々木麟太郎内野手(3年)擁する花巻東(岩手)と対戦する。おかやま山陽(岡山)も甲子園初勝利を挙げた。

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クラークのエース右腕新岡主将が、粘りの投球で甲子園初勝利に貢献した。毎回の10安打こそ許したが、要所を締めて1失点。9回121球で完投した。「まずは初戦突破という大きな壁を越えられてよかった。最高にうれしい」と笑顔で汗を拭った。

まるで千手観音投法。自由自在に腕の位置を変え、打者に的を絞らせない。横手投げを軸に、時に上手や下手で投じる。場面に応じてプレートの踏む位置を一塁側や三塁側などで使い分け、打者のタイミングを外す。変化球は本人いわく「8つぐらいです」。この日はカーブ、スライダーにナックルやシンカーなども投じ、1球1球腕の角度が変わるため「打者からしたら曲がり方が違うと思う」と惑わせる。27個のアウトのうち、ゴロアウトは15個と手玉に取った。

投げ方の原点は捕手だった中学時代にさかのぼる。所属していた青森・弘前白神シニアの斎藤和裕監督(52)のすすめで、投手の練習を始めた。同監督は新岡の器用さを感じ「アンダースローで、135キロ、140キロを投げられれば絶対目に留まるよ。そんな投手はそうそういない」と教えた。新岡は中学で教わった下手投げと横手投げを基礎に、高校ではスリークオーターにも挑戦。改良を続け甲子園で勝てる投手に成長した。

2回戦は高校通算140本塁打の注目スラッガー佐々木麟がいる花巻東と対戦する。中学時代に対戦した経験があり「すごかった」と記憶が残る。「抑えないといけない。自信はある」とキッパリ。次も胸を張りマウンドで腕を振る。【山崎純一】

◆佐々木監督が3元号勝利 クラーク・佐々木啓司監督は駒大岩見沢時代に甲子園で通算7勝している(昭和3勝、平成4勝)。監督の昭和、平成、令和3元号勝利は阪口慶三監督(東邦-大垣日大)に次いで2人目。

◆父子が監督と部長 佐々木達也部長は監督の次男。父子コンビで勝利は今春の山梨学院が吉田洸二監督、長男の健人部長で優勝して以来。

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