49代表校最後に登場した2年連続9度目出場の九州国際大付(福岡)は、土浦日大(茨城)3投手の6安打完封リレーに屈して、初戦で散った。プロ注目で高校通算31本塁打のスラッガー、4番佐倉侠史朗内野手(3年)は4打数1安打と本来の力を発揮できず。花巻東(岩手)佐々木麟太郎、広陵(広島)真鍋慧と共に1年時から注目されてきた左の九州NO・1強打者は、プロ志望を明言した。

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佐倉主将は最後まで逆転を信じていた。先頭打者で迎えた9回。「意地というより、負ける気がしなかった」と執念で4打席目にして、中前打で初出塁。2死二、三塁で、最後まであきらめず、三塁から打者に声をかけ続けた。だが、願い届かず二ゴロで終戦。「後輩が来てくれることを信じているので」とし、甲子園の砂は集めなかった。

4打数1安打と大爆発とはいかなかった。2回無死で144キロ直球を左飛、4回1死二塁で116キロ変化球を一直、6回2死一塁では、ファウルで粘ったカウント2-2から8球目スライダーに空振り三振を喫した。「自分が打たないと勝てない。打てずに負けてバッターとして悔しいです」。それでも、自身3度目の甲子園出場に「すごく悔しいが、ここでやれたことがうれしい。監督や、いろんな方への感謝しかありません」と振り返った。

1年時から、注目スラッガーとして、花巻東・佐々木、広陵・真鍋と比較され、大阪桐蔭・前田悠伍投手を加えて「高校四天王」と呼ばれた。佐々木、真鍋は甲子園で大活躍しており、佐倉は「自分よりすごい選手で、ちゃんとチームも勝つ。そういう選手になれなかったのが悔しい」とその差を痛感した。

将来、プロの世界で見返すつもりだ。今秋のドラフトへ、プロ志望届を出す予定で「野球人として出したい。そういうところでプレーすることが人生のゴール。最終的には(プロを)目指したい」。さらなる高いレベルで勝負をかける。【菊川光一】

○…元プロの楠城徹監督(72)は完敗を認めた。6安打完封負けに「向こうが主導権を握った、洗練された野球をされたかなっていうことを感じましたね。思ってた以上に、相手ピッチャーの球がよかった」。不発の佐倉については「チームから期待されるし、相手から警戒されるし、簡単な球は来ない。それで打ち勝たなきゃいけないのは大変ですよ」と話し、労をねぎらった。

◆しんがり敗戦 49代表最後の登場となった九州国際大付が初戦敗退。49代表制となった78年以降、組み合わせ抽選時に相手が決まらない「しんがり登場校」の成績は通算11勝33敗1分け(勝率2割5分)と分が悪い。

▽巨人桑田ファーム総監督 守備もそつなくこなし、大きな体でもしなやかに動けていました。打撃ではシャープなスイングをして、角度のある打球を飛ばせるなと思いました。

▽日本ハム大渕スカウト部長 体幹がしっかりしてブレなくなり、よくなっていた。打球速度も速かった。主将としてチームに明るく声をかけている姿も目に留まった。