今夏全国選手権出場の浜松開誠館が、2季連続の甲子園に向けて好発進した。初戦の2回戦で富士を14-3の5回コールドで圧倒。大迫翔輔捕手(2年)の先頭打者本塁打など15安打14得点で快勝した。常葉大橘は知徳との接戦を4-3で制し、2回戦を突破した。聖隷クリストファー、駿河総合も勝利。3回戦8試合は、16日に県内4球場で行われる。

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浜松開誠館の秋は、リードオフマンの快音で幕を開けた。初回、1番大迫が真ん中に入った直球をたたき、左翼越え先頭打者本塁打で先制。「最高です。チームを勢いづけられてよかった」と笑顔を見せた。高校初アーチの喜びをかみしめながらのダイヤモンド1周には「気持ちよかった」と実感を込めた。大会2週間前に指揮官から「脱力を意識。インパクトで100%出し切る」とアドバイスを受け特訓。スイングスピードが上がり、この日の結果に結び付けた。今夏の甲子園では9番打者の内野手で活躍。新チームでは古巣の捕手に戻り1番打者としてチームをけん引する。「強い投手陣に負けないよう全員でバッティングを磨いていく」と力を込めた。

この日、新戦力も輝きを放った。1年生ながら公式戦初スタメンの9番塚田暖琉(はる)が、3打数3安打4打点と躍動。2回に中前2点適時打、3回には高校初となる左越え2ランを放ち、上位打線につなぐ役目を担った。「1本出て気持ち楽になった。次も先輩たちのために全力で戦いたい」と充実した表情を見せた。

投げてはエース左腕・松井琉聖(2年)が、3回1安打無失点。テンポよく6三振を奪い安定感抜群の投球を見せた。「球が伸びていた。次も結果を残す」とエースの自覚を口にした。盤石の強さで新チームの初陣を飾った佐野心監督(55)は「選手は落ち着いてプレーできていた。ようやくスタート地点に立てました」と目を細めた。幸先よくスタートを切ったチームは次の3回戦で清水東と対戦する。【山口昌久】