智弁和歌山が準決勝で敗退した。同県の枠は2。来春の甲子園出場は絶望的になった。

2-0の7回、無失点のエース中西琉輝矢投手(2年)に代えて宮口龍斗投手(1年)を送ったことが裏目に出た。1死満塁から押し出し四球。さらに山本陣世内野手(2年)に満塁アーチを浴びて、ひっくり返された。継投について中谷仁監督(44)は「中西が頑張ってくれた。僕の采配ミスです」と唇をかんだ。

派手な満塁弾が決勝点になったが、同監督は攻撃に敗因を求めた。1回、4回、7回、8回と4度も内野ゴロの併殺を食らった。戦前から田辺のエース寺西邦右投手(2年)を好右腕と警戒。ロースコアは想定していたという。「しっかり対策をした上で調整してきたのですが、寺西くんにそれを上回る投球をされました。意図せず投げたボールもあったが、意図せず内角に来るボールをとらえきれませんでした」と、うめいた。智弁和歌山らしい粘り腰は発揮できなかった。

中西は「宮口ではなく、自分のテンポの悪さでこういう雰囲気にしてしまった。ふがいない。切り替えることはなかなかできないが、現実を受け止めたい」と責任を背負い込み、辻旭陽主将(2年)は「守備も打撃も全てにおいて、足りない。相手より力が足りなかった」と厳しく言った。

優勝候補とされていた今夏の和歌山大会は、初戦で高野山に敗れた。プライドを取り戻すべく、出直しを図った新チームもまた、紀三井寺で涙を流すことになった。2季連続で甲子園出場を逃せば16年春~17年春の3季連続以来。

中谷監督は「2年生中心にいろいろと計画をして、前向きに取り組んでくれていた」と好感触も得ていただけに、ショックは大きい。21年夏の甲子園王者が、長い冬に入る。