藤枝明誠(静岡1位)が、創部初のセンバツ出場に前進した。

初戦の2回戦で県岐阜商(岐阜2位)に6-3で勝利。2回に6番矢沢蒼大外野手(2年)のスクイズで先制すると、その後4本の適時打で加点し難敵を退けた。日大三島(静岡3位)は愛工大名電(愛知1位)に4-7で敗れた。準決勝は28日に長良川球場(岐阜)で行われる。

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藤枝明誠の「らしさ」が岐阜の名門を撃破した。試合後、光岡孝監督(45)は開口一番「子供たちは本当によくやってくれた。勝つには、これしかないという試合だった」。さらに難敵相手の戦いには「先制できたことが大きかった」と、うなずいた。

2回1死三塁、6番矢沢が外角低めの2球目をスクイズ。投前に決まり先取点を挙げた。「必ずあると思ってサインを待っていた。決まった瞬間は最高でした」。先制し試合の流れをつかんだ4回、5番川碕拳慎内野手(2年)7番平口貴一外野手(2年)の2人が適時打を放って加点。さらに5、7回にも主将の一瀬友希内野手(2年)が続いた。4本の適時打がすべて2死からの得点。この日は5つの犠打も記録し得点機を演出。好機を確実に得点につなげるチームの勝負強さが光った。

投げては、5-3の5回から登板したエース山田十三投手(2年)が、後半5イニングを6安打無失点。相手の反撃を封じ、勝利に貢献した。「今日は変化球が切れていた。次もいつでも行ける準備をする」と、喜びをかみしめた。チームの真骨頂である「守備からリズムを作る」も展開。特にピンチの場面では「攻めの守り」が随所に見られた。左翼フェンス直撃の二塁打を2本放った皆川晧也捕手(2年)は「全員できっちり守ることができた」と自信をみなぎらせた。

4年ぶりの準決勝の相手は愛知1位の愛工大名電。皆川は「目標は創部初の春の甲子園。次も勝利し全員で歴史をつくりたい」と、聖地に向けたチームの思いを代弁した。【山口昌久】