来春の第96回選抜高校野球大会(24年3月18日開幕、甲子園)の21世紀枠の地区候補9校が発表され、関東地区からは、水戸一(茨城)が選ばれた。来年1月26日の選考委員会で2校が決まる。

今秋の茨城大会では3試合連続無失点で勝ち進み、準決勝は県優勝で関東大会4強の常総学院に1-8で破れたが、伝統の守り勝つ野球で71年以来52年ぶりに4強入りを果たした。

県内随一の歴史と伝統を誇る。水戸城本丸跡に1878年創立。野球部は1891年創部。夏の甲子園には旧制水戸中時代の29年、30年。戦後は54年と3度出場。県内トップの進学校で東大、京大など多数輩出。「一球入魂」の言葉を生み、学生野球の普及に尽力し「学生野球の父」とも呼ばれた飛田穂洲(とびたすいしゅう)氏の出身校としても知られている。

近年ではスポーツにも力を入れ、22年度から特色選抜を開始。高いレベルで文武両道を実践。グラウンドは陸上、サッカー、ラグビー部と共有し、短い練習時間の中工夫した練習に取り組み、県上位に進出した。 22年には「日本野球聖地・名所150選」として、高校では唯一、水戸一が選ばれた。来年創立146年にして「聖地・甲子園」を目指す。

 

◆水戸一 1878年(明11)に茨城師範学校の予備学科として創立の県立校。野球部は1891年(明24)創部。夏の甲子園には旧制水戸中時代に2度、戦後1度の計3度出場。校是(こうぜ)に「至誠一貫」「堅忍力行」を掲げる。主な卒業生に映画監督の深作欣二氏、ジャーナリストの立花隆氏など。茨城県水戸市三の丸3の10の1。御厩祐司校長。