阿南光(徳島)のエース吉岡暖(はる)投手(3年)が、9回4失点、11奪三振の力投で完投勝利を挙げた。

同校は18年に新野と阿南工が統合して開校したため、阿南光としては甲子園初勝利。新野時代を含めれば、92年以来32年ぶりの白星。今大会の完投勝利一番乗りとなったが「あらためて完投の厳しさがわかりました。三振数というよりも、まずはチームが勝利できたことがうれしいです」と胸をなで下ろした。

最速143キロの直球とフォーク、ツーシームを主体とした投球で豊川(愛知)打線を翻弄(ほんろう)。プロ注目のモイセエフ・ニキータ外野手(3年)との対戦では第1、2打席目は連続の三振斬り。6回2死からは右飛に仕留めたが、8回1死一塁からは右翼ポール際への2ランを被弾した。9回2死満塁で5度目の対戦を迎え「運命かなと思った」とニヤリ。最後は外角高めのフォームで空振り三振を奪い「借りは返せたかなと思います」と胸を張った。