昨夏甲子園4強の神村学園(鹿児島)が明治神宮大会準Vの作新学院(栃木)を6-3で下し、甲子園開場100周年に県勢としても甲子園春夏通算100勝を達成した。昨夏甲子園メンバーの4番正林輝大外野手(3年)の右越えソロなどで4点を奪い、プロ注目の最速147キロ右腕、小川哲平投手(3年)を5回4失点で降板させた。投げては4投手による3失点リレーで逃げきり。攻守にV候補を圧倒した。

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プロ注目の「江川2世」を攻略し、鹿児島県勢100勝を達成した。小田大介監督(41)が「心のスタミナを削る打席で、相手投手の気分が乗らない嫌な攻撃をしたい」と入魂した“桜島打線”がさく裂した。

先制点は2回2死一、三塁から執念でもぎ取った。昨夏甲子園メンバーの2番増田が初球141キロ直球にしぶとく食らいついた。逆方向の左翼線に適時二塁打を放ち、チームは一気に勢いづいた。

3回は先頭の4番正林が相手エースの武器、カットボールを打ち砕いた。「気持ちで勝負した」と初球の内角低めを振り抜き、高校通算14号で今大会2号となる右越えソロ。「距離がどうかと思ったのでホッとした」。ライナー性の飛球がポールを巻くと、一塁を蹴ってガッツポーズだ。

さらに5回1死満塁では9番川下主将の遊撃強襲2点打で突き放し、大会屈指の好投手を5回でマウンドから引きずり下ろした。

小田監督は試合前、小川対策を練っていた。「高めのボールが力強いので振らされないこと。膝元に来るスライダー、カットボール、チェンジアップを見極め、カウントを取りにくるベルト線のボールをスイングできるかがポイント」。150キロ設定のマシンを打ち込んだ時間も生きた。

甲子園開場100周年と重なるメモリアル星。川下主将は「100年目の年に勝てることは当たり前じゃない。感謝の気持ちを持って次の試合でもやっていきたい」と力を込めた。偉業を励みに、2回戦は優勝候補の大阪桐蔭に挑む。【菊川光一】

◆鹿児島県勢100勝 神村学園が勝ち、鹿児島県勢は春夏通算100勝目。県内の学校別勝利数上位は(1)鹿児島実33勝(2)樟南28勝(3)鹿児島商、神村学園=各15勝。

○…神村学園はエース今村につなぐ4投手3失点リレーで逃げ切った。1年秋の九州大会以来の公式戦登板だった先発左腕の上川床が抜群の制球力を披露し、3回の無死満塁を切り抜けるなど5回まで無失点。100キロ台のカーブも有効活用し「変化球を交えながらストレートを生かすことができた」と先発抜てきに応えた。2点を返された6回途中からは継投に入り、流れを渡さなかった。

▽神村学園・2番増田(2回に先制打)「ボールが強いので力負けしないように、低い打球を心がけて打つ練習はしていました。練習通り低い打球が打てたので、いい結果になりました」

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