<センバツ高校野球:山梨学院4-0創志学園>◇26日◇2回戦

センバツが100年を迎えた。敗れて甲子園を後にする敗者には、今夏の甲子園へとつながっていくドラマがある。「涙は夏のため~新しい夢のため~」と題し、さまざまな角度から敗れたチームの物語を紡ぐ。

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天国の曽祖母へ、感謝の気持ちを込めたマウンドだった。創志学園の中野光琉投手(3年)は、5年前に99歳で亡くなった曽祖母福枝さんの遺影がアルプスに飾られる中で、3回2/3を無失点。「甲子園で投げる姿を見せられて、支えてもらった人への恩返しになった」とかみしめた。

昔から家に遊びに行き、野球の応援にも足を運んでもらった存在。創志学園入学後の1年秋から投手に転向したため、野手の姿しか見せていなかった。新チーム当初の昨秋は背番号1を背負ったが、今大会は山口に譲った。「悔しい気持ちはずっとある。春のエースは山口なので、自分に与えられた仕事をやるだけ」と切り替えた。3回途中から救援。自身の最速146キロには及ばなかったが、3回2死一、二塁では直球で空振り三振に仕留め、「自信を持ってこれからも投げていける」と自信を深めた。

甲子園のマウンドに立つ姿を、支えてくれた方々に見せた。「甲子園は小さい頃から憧れていた場所。夏は先発で抑えたい。エースになって自分でチームを勝たせられるようなピッチャーになって戻ってきたい」。夏の聖地では背番号1で成長した姿を見せる。【林亮佑】

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