神村学園は春夏通算全国制覇9回の大阪桐蔭に2-4で力負けした。全国レベルの140キロ超え投手リレーの前に、わずか4安打。8三振も喫した。だが、V候補に対して、1回に暴投から先制。9回にも4番正林の適時二塁打で2点目を奪う意地を見せ、夏への収穫を得た。九州勢は2年連続で8強入りを逃した。

九州男児の執念を見せた。1-4の9回だった。相手の最速149キロ右腕、中野から先頭の3番今岡が中越え二塁打で出塁。「次につなぐ意識で打席に入った」という正林が「前の打席で三振した球が来ると思った」と狙ったチェンジアップを左翼線に適時二塁打して気を吐いた。

3安打で打率は5割超え(2試合で9打数5安打)。「レベルが高い投手と対戦し、ヒットが打てたので次につなげたい」と声を弾ませた。正林は1回戦で、作新学院のプロ注目で最速147キロ右腕、小川哲平投手(3年)から右越えソロを放つなど勢いがあった。1回には相手の最速151キロ右腕、森の暴投で先制。チームとして攻撃面の収穫はあった。

一方、自慢の守備からリズムをつくれなかった。5回、相手1番境の右翼フェンス直撃の打球を「思ったより伸びてフェンスに当たり、打球処理にもたついた」と痛恨のランニング本塁打を与えた。チームは2失策が失点に絡むなど4失策。正林は「守備からリズムをつくるのが持ち味なのに失策が多く出たのは反省点」と悔やんだ。

1回戦では、関東王者を破り、県勢として春夏通算100勝と同校10年ぶりのセンバツ白星を飾った。小田大介監督(41)は「大阪桐蔭さんとか作新学院さんとか、全国優勝されたチームと甲子園球場で戦えた。私たちの財産になると思ってます」。貴重な経験を夏へ生かす。【菊川光一】