高崎健康福祉大高崎(群馬)の斎藤銀乃助外野手(3年)は金メダルを誇らしげに掛けていた。

銀乃助が金メダル。「いやぁ、それは…」とさすがに素早い返答に困ったが、努力の勲章に表情はほころんだままだ。

母真希乃さん(45)が名前に「銀」を入れた由来を明かす。

「放っておくと結構黒ずんじゃったり、くすんじゃう。磨き続けなきゃいけないっていう金属なので。自分のことを磨き続けられるようにっていう思いで付けました」

少年時代から好打者として注目されていたが、才能におぼれることはなかった。中学時代も涙を見せることなく、淡々と努力を続けてきた。高校でも。

「野球だけじゃなくて人間のあり方だったり、人から信頼されるような人間になればおのずと…って。野球だけじゃなく、あまり人から見えない部分も自分の中で磨いて」

斎藤は「そういうところが勝負強さにつながったんじゃないかなと思います」とも言う。この日も3回、右翼への三塁打を放って、その後決勝のホームを踏んだ。優勝し、周囲は泣く選手もいたのに「優勝の実感がなくて、ぼーっとしていました」と笑う。まだまだ先がある。銀を磨く。【金子真仁】

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