日本一に導いたダブルエースに次ぐ、新戦力を発掘する。高崎健康福祉大高崎(群馬)は1日、春夏通じて初の甲子園優勝から一夜明け、紫紺の優勝旗を故郷へ持ち帰った。

群馬県勢初のセンバツ優勝を成し遂げた同校は、左の佐藤龍月投手、右の石垣元気投手(ともに2年)のダブルエースが軸。佐藤は準々決勝で中指の血マメがめくれるアクシデントを乗り越え、計309球、準決勝、決勝に先発した石垣は計368球を投げ抜いた。

「夏に甲子園に出られる保証はありませんので」と繰り返す青柳博文監督(51)は、力投した2人は春季大会では多投させることなく、新たな戦力を備えて夏に挑む方針だ。「1回ちょっと休ませて。佐藤は血マメをやっていますので、佐藤や石垣がいなくても勝てるチームをつくっていかないと夏は無理だと思いますので。春の大会はあんまり使わずにいければ。部員は90人くらいいますので、競争して」と、新たな投手力の台頭が必須と語る。

この日はナインをひと目見ようと、高崎駅に約500人の市民が駆けつけた。同監督は「5年前に『高崎から日本一』を合言葉にしてやっと夢がかないました」と感謝。高崎市役所では、富岡賢治市長(77)から「我々の誇りですよ、みなさんが。語り尽くされるよ」と、ねぎらいの言葉をかけられた。

最後は春休みながら約100人の在校生らが待ち受ける高崎市内の同校へ。主将の箱山遥人捕手(3年)は「みなさんの応援が心のエネルギーになりました。これからも応援よろしくお願いいたします」と感謝を伝えた。【佐瀬百合子】