帝京長岡(新潟)のプロ注目右腕、茨木佑太投手(3年)が、未来富山(富山)との練習試合に先発した。プロ複数球団のスカウトが視察する中、力強い直球を軸に5回4安打無失点の好投をみせた。

ひと冬越えて進化した姿を披露した。187センチ、92キロの恵まれた体格から投げ下ろす直球は、この日、同校のスピードガンで最速141キロをマーク。「しっかりコースに投げることを意識した」と、やや力をセーブしながらも、真っすぐは常時135キロ以上。昨秋の平均速度は120キロ台後半で、5キロ以上アップした。

一方で「高めに浮いた。出来そのものはあまりよくない」と、初回に2死満塁のピンチを招くなど、4回まで毎回走者を背負った。それでも要所でチェンジアップ、スライダーをコーナーに決めてホームは踏ませず。元日本ハムの芝草宇宙監督(54)は「あと1本を出させない投球ができている」と及第点をつけた。

ここまで練習試合で10イニング以上投げて無失点。冬場の筋トレは上半身を中心に行い、体重は約10キロ増えた。もともとのオーバースローだったが、昨秋はスリークオーターに変更。この春、再び上手に戻した。茨木は「下半身と連動して投げられるようになって、腕も上がった」と、筋肉増量の成果を口にした。

見守った楽天の井上純スカウト(53)は「体が大きいしポテンシャルもある。のびしろがすごくある」と潜在能力の高さを評価。阪神の筒井和也スカウト(42)は、帝京長岡OBで一昨年のドラフト4位右腕、兄秀俊(19)と比較し「秀俊より3、4センチ身長が高く、スケールの大きさを感じる。将来的に本格派になる面白い存在」と話した。

今季のキャンプインを1軍で迎えるなど、成長株の兄について茨木は「越えなければならない存在」と言った。それだけに「兄が出られなかった甲子園に今年は必ず出る」。意識を高めてシーズンを迎える。【斎藤慎一郎】

 

◆茨木佑太(いばらぎ・ゆうた)2006年(平18)5月9日生まれ、北海道出身。手稲中央小1年から手稲ヤングスターズで野球を始め、以来、ほぼ投手。手稲中では少年硬式野球の札幌東シニアに所属。3年の時に東日本選抜大会に出場した。帝京長岡では1年の夏からベンチ入りし、秋から背番号「1」。憧れのプロ野球選手はドジャース大谷翔平。187センチ、92キロ。右投げ右打ち。