大型遊撃手としてドラフト上位候補の花咲徳栄・石塚裕惺(ゆうせい)内野手(3年)が、今夏初打席から魅せた。高校野球埼玉大会2回戦の第1打席で、先制の左越えソロ。2安打3打点で打線をけん引し、越谷東を圧倒した。日米6球団のスカウトの前で、持ち前の打力を発揮。4番に引っ張られるように、昨秋から県内で無敗のチームは5年ぶりの夏の甲子園に向け、好スタートを切った。

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いきなり豪快な1発を放った。第1打席の2回。先頭で打席に立つと、高めに浮いた変化球を捉えた。ライナー性の打球は軽々と左翼席に飛び込んだ。高校通算26本塁打目にも、淡々とダイヤモンドを一周した。

石塚の1発でチームの夏が始まった。初回の攻撃が3人で終わり「危ない雰囲気は感じ取っていた」が、4番の一振りで払った。大会前に岩井隆監督(54)の発案で、暗闇の中でろうそくの火を5分間見つめて集中力を高めるトレーニングを取り入れた。鍛え上げた集中力を研ぎ澄まし、甘く入った球を仕留めた。「(本塁打を)狙ってはいなかった。なんとか流れを変えられて良かった」。終わってみれば14得点で大勝。主砲の集中力がチームを勢いづけた。

スタンドでは181センチ、83キロの大型遊撃手に、日米6球団のスカウトが熱視線を送った。守備も堅実で、ロッテ高橋編成管理部長は「初戦の1打席目で本塁打。実力を含め持っているものがある」と感嘆し「右投げ右打ちの遊撃手で、長打も足もある。なかなかいないタイプ」と高評価だ。

本塁打数をどこまで伸ばすか注目されるが「自分の数字よりもチームが勝つことを念頭に置いて」と強調する。県内では公式戦無敗で夏を迎えたが「夏に(甲子園出場まで)7勝しないといけない難しさは昨年で身に染みてわかった」と油断はない。「大事なところで打って、チームを勝たせる打撃をしたい」。自身初の甲子園へ、好スタートを切った。【野見山拓樹】