<高校野球西東京大会:早実14-13国学院久我山>◇22日◇準々決勝◇神宮

国学院久我山・矢野丈太郎外野手(3年)は、最後まで気丈に仲間を支え続けた。最大9点差を追いつきながら、8回に再び勝ち越されて迎えた9回の攻撃だった。2死一塁から三遊間を抜く安打。力強くガッツポーズし、執念で仲間へつないだ。だが、勝利への思いは届かなかった。

木製バットで挑んだ今大会は打撃が振るわず、納得がいかなかった。だからこそ、最終回に左前打でつないだ打席は、この夏で一番うれしかった。「やれることはやってきた。後悔っていうのはない」。その表情はスッキリとしていた。試合終了後、泣き崩れる仲間たちの肩を何度もたたいて励ました。

父は巨人で打撃コーチを務める、矢野謙次氏(43)だ。元プロ野球選手の父を持つゆえに苦労したこともある。プレッシャーを抱えながら野球をやってきた。「お父さんがプロなんだから結果を残して当たり前でしょって。結果を残さないと何か言われてしまうんじゃないかなって。それに打ち勝つために、ずっとやってきました」。父も達成できなかった甲子園出場。その夢は惜しくもかなわなかったが、神宮に鳴り響いた国学院久我山のチャンステーマ「1本」の地鳴りは忘れられない。「今日は自分の力が足りなかったけど、応援を力に変えられる選手になりたい」。新たな夢に向かって、歩き始める。【佐瀬百合子】

各地区開催日程、組み合わせなど【高校野球 夏の地方大会2024】特設ページはこちら>>