<高校野球熊本大会:熊本国府8-1天草工>◇23日◇準決勝◇リブワーク藤崎台
「最後に自分のスイングができず申し訳ないです」。9回2死一、二塁。チャンスで遊直となり、天を仰いだ。
45年ぶりの準決勝は、第1シードの前に完敗だった。自身6番で4打数無安打と不発。だが、最後まで、ソフトボール部に所属した牛深小2年から公務員の父と一緒に作りあげてきたという豪快フルスイングで立ち向かった。「意識はしていませんが(オリックス)森友哉選手を参考にしています」。勢いのあまり、空振りで転倒するほどの打法で気を吐いた。
ただ、意地は見せた夏だった。「歴史がつくれず悔いが残る」といい、悲願の初決勝はならなかった。だが、シード2校を破る快進撃で大会をわかせた。2回戦で春県王者のシード文徳に競り勝つジャイアントキリングで「1つヤマ場を乗り越え、行けると感じた」。準々決勝でシード熊本商も下して、波に乗っていた。
昨秋の新チームは背番号10だったが、努力で5月のNHK旗から9番をつかみ取った。炎天下のこの日、同校生徒140人の応援団が駆けつけており、バットに魂を宿らせた。【菊川光一】

