<高校野球西東京大会:府中3-2国分寺>◇16日◇2回戦

 府中が逆転サヨナラ勝ちで、3回戦進出を果たした。1点を追う9回2死二、三塁、伊藤貴洋外野手(3年)の右前打に、二塁走者の関根翔人内野手(3年)が思い切り本塁へ。ヘッドスライディングで捕手のタッチをくぐり抜け、サヨナラのホームを陥れた。

 関根はこの日、守備で2失策していた。最後の攻撃も「泣きそうでした。こんな中途半端で終わるのか…」という思いで打席に立ち、四球を選んで二塁へ進んだ。そして迎えたサヨナラの場面。伊藤が自信満々に胸をたたくのを見て、安打を確信したという。「ショートの前まで大きくリードしました。絶対にかえってこようと思いました」。

 三塁コーチャーの畑野和大(2年)は8回、同じような場面で走者を止めてしまった。「国分寺のコーチャーが思い切り回すのを見て、僕も行くしかないと思いました」。その思いから、二塁の頭をやっと越える浅い当たりにも、思い切って手を回した。「後悔したくない」という2人の思いが生んだ、逆転劇だった。