<高校野球青森大会:五戸5-2八戸聖ウルスラ学院>◇12日◇1回戦◇弘前市運動公園球場

 八戸聖ウルスラ学院が五戸に敗れ、出場5年目での大会初勝利はならなかった。それでも4番清川卓郎一塁手(2年)が創部以来初のホームランを放つなど健闘。これが今夏青森1号となり、白星へ近づく戦いぶりを見せた。

 球場内がどよめいた。2回表。八戸聖ウルスラ学院の先頭清川が引っ張った打球は右翼ポールを直撃。五戸の好投手、下森一晟(3年)から本塁打で先制点を奪った。08年の創部以来、これがチームにとって公式戦、練習試合を含めて初本塁打。ナインは歓声を上げ、勢いづいた。

 8回裏には2死二塁のピンチで左前打を打たれたが、三塁手の中継を経て好返球で本塁で刺した。結局失点は5。これまで10点以上を取られての敗戦が多かったが、投手陣を中心に守りで踏ん張った。だが攻撃は下森の前に3安打に終わり、大会初勝利はまたもお預けとなった。

 清川にとっても人生で初本塁打。「ファウルになるかなと思った。まさか入るとは」と振り返った。187センチ、87キロの堂々たる体格で昨年から4番。8月から米国の高校に留学し、来年夏前に帰る予定。「ホームランはうれしいが、チームが負けて悔しい。来年こそ」と力を込めた。

 05年に軟式の愛好会でスタート。最初は朝野球のチームに練習試合を申し込んでも断られた。08年1月に硬式部として創部。同年4月に県高野連加盟が承認された。夏の大会はこれで5連敗だが、昨秋の八戸地区予選では三戸に9-6で勝ち、公式戦初白星。着実に成長してきた。

 この日出場の10人のうち3年生は2人、2年生が7人、1年生が1人の若いチーム。佐々木正宏監督(30)は「選手はよくやった。もう1度鍛え直します」と再挑戦を誓った。【北村宏平】