<高校野球山形大会:山形商9-1高畠>◇15日◇2回戦◇米沢市営

 山形商が2年ぶりの初戦突破で4年ぶりの16強入り。3番・原田直樹主将(3年)が初回の先制二塁打を含む4安打5打点と大活躍した。

 頼れる主将が初戦の緊張を振り払った。原田主将は1回表、1死二塁で先制の右翼線二塁打。6回も二塁打でチーム5点目を挙げ、7回には2死二、三塁から走者一掃の左翼越え三塁打でコールド勝ちを決定づけた。左右に打ち分け、長打3本を含む4安打5打点。氏家光彦監督(50)も「立ち上がりに先制できたのが大きかった。キャプテンらしく引っ張ってくれた」と評価した。

 「さすがキャプテン」。試合後、原田主将の頭をなでたのは、青森山田前監督の渋谷良弥氏(65)だった。今春に山形市スポーツアドバイザーに就任し、チームは指導を受けている。同氏は日大山形時代を含め、昨夏まで監督通算40年間で春夏22度の甲子園出場。勝利の方程式を知る名将に、原田主将は「基本的なことから指導を受けて実になりました」と信頼を寄せる。

 助言を受けるだけでなく、自身の努力も怠らなかった。左打者として左腕の使い方を研究。インパクト時に左脇を締め、左手首を押し出すようにするバットコントロールで、苦手だった外角球を攻略。身についた長打力がこの日発揮された。3年生20人には最後の夏だが、4人がベンチ入りできなかった。原田主将は「思いを背負って、どこが相手でも堂々とプレーしたい」と上位を目指す。【佐々木雄高】