<高校野球山形大会:羽黒10-2新庄東>◇22日◇準々決勝◇荘銀・日新スタジアムやまがた

 伝統の山伏打線が爆発。羽黒が10-2の7回コールドで新庄東を退けた。今夏は「P・S・P」をチームの柱に掲げる。パワー(P)とスピード(S)で相手にプレッシャー(P)をかけ続け、4年連続16度目の4強進出を決めた。

 羽黒工時代からの伝統を受け継ぐ、羽黒の強力打線が4強に導いた。2回に先制したが、直後に同点にされた。それでも落ち着いて試合を進め、4回と7回にそれぞれ4点を挙げてコールド勝ちした。6四死球に敵失4も絡めて11安打10得点。横田謙人監督(42)は「投手を楽にするために何としてもコールドで決めたかった。機動力も生かせた」と評価した。

 英語教師で、大学卒業までアメリカで生活した横田監督は今夏のチームテーマを「P・S・P」と定めた。力とスピードで攻めることを柱とする野球は、この日も表れた。5番板倉功治の公式戦初となる先制本塁打でパワーを見せつけ、さらに敵失に足を絡めて追加点を挙げた。東京都出身の板倉は「(スタンド応援の両親に)いいところを見せられました」と胸を張った。

 温存予定だった右腕エース鈴木郁弥も、同点の2回裏2死満塁の窮地で登板。スライダーでカウントを整え、フォークを決め球にして4回1/3を1安打無失点に抑えた。四球出塁の4回表、2番菅原佑太(いずれも3年)の左前打で勝ち越しのホームも踏んだ鈴木は「試合前から準備していました。打線が楽にしてくれました。調整にもなりました。監督を胴上げして甲子園に行きたい」と準決勝、決勝の連投を誓った。【佐々木雄高】