<高校野球青森大会:弘前学院聖愛3-0弘前東>◇23日◇準決勝◇青森市営球場

 弘前学院聖愛が弘前東を下し、創部12年目で初の決勝進出を決めた。6回から救援の久米田一樹(3年)が2安打無失点の好投をみせた。

 弘前学院聖愛の主将、背番号6の久米田がチームを初の決勝進出に導いた。6回無死一塁で登板。以降を2安打6三振無失点に抑えた。1番打者としても3打数2安打。8回裏には中犠飛で貴重な3点目を挙げた。5回まで0-0の緊迫した試合。「我慢して戦うことができた」と胸を張った。

 久米田はスタメンでは遊撃手だが、大事な局面で必ず登板する。今大会これで4試合に救援登板、16回2/3を投げ無失点を続けている。もともとは投手。昨秋は背番号1だったが遊撃手の適任がおらず、兼任となった。走攻守そろった1番打者の上、投手としても絶対の信頼感。原田一範監督(34)は「今日は久米田さまさまです」とたたえた。

 チームは05年と昨年の2度ベスト4に進出しているが、決勝は初。悲願の甲子園へあと「1」に迫った。部員は毎朝、朝礼をし、交代でスピーチする。この日は記録員でベンチ入りの田辺竜太(3年)が「去年は準決勝で負けた。新しい歴史をつくるのは私たちです」とスピーチした。

 久米田は弘前市城東小、弘前一中と全国大会に出場。高校でも全国大会の夢に近づいた。先攻後攻を決める試合前のジャンケンはこれまで負け続きだったが、今大会に入って負け知らずと縁起がいい。いよいよ光星学院と対決。「相手は強いが、自分たちの野球をやって勝つ」。久米田は力強く宣言した。【北村宏平】