<高校野球IBAF18U世界選手権:日本8-0パナマ>◇2日◇予選第1ラウンド◇韓国・蚕室

 高校日本代表がパナマを下し、通算成績を2勝1敗とした。先発の城間竜兵(3年)が、7回3安打無失点と好投。他国も含め、今大会の投手の中で最も小柄な身長172センチの右腕が、内野ゴロの山を築く「技」を披露。打者としてもプロ注目で、宿舎で同部屋の大谷翔平投手(3年)からは先制打の援護ももらった。

 190センチを超える大谷、藤浪に次いで先発マウンドを任されたのは、身長172センチの城間だった。150キロを連発する超大型右腕に対し、この日の最速は138キロ。それでも、抜群のコーナーワークでパナマ打線を7回3安打無失点に封じた。「2人の後でプレッシャーもあったけど、刺激にもなる。藤浪みたいに、自分も良いピッチングをしたいと思っていた」。前日1日の台湾戦で完封した、25センチも高いチームメートの好投も発奮材料にした。

 「(大谷と藤浪に)球のスピードは全然負けているけど、コントロールは負けないなと思う」と胸を張れる制球力が生命線だ。宿舎で同部屋の大谷からは「150キロをあげるから、そのコントロールをくれよ」とせがまれたこともある。長打の危険がある内角にも、寸分の狂いなく直球を投げ込んだ。

 相手は、一回り以上大きな体でバットを振り回してきたが、打ち取れる確かな自信があった。昨年12月に青森県選抜として台湾遠征に参加し、外国人勢を相手に木製バットを3本もへし折った。「金属だと甘く入ったら持っていかれるけど、木製は芯を少し外せば外野は越えない」。その経験から、この日はカットボールを効果的に使った。バットは折ることはできなかったが、21個のアウトのうち、15個を内野ゴロで奪い、大男たちを手玉に取った。パナマの先発サラサールは、カージナルス傘下のドミニカ・リーグでプレーするプロ2年目の選手だったが、勝ったのは城間だった。

 当初、8月30日のチェコとの第1戦に先発予定だった。そうそうたる布陣の中で“開幕投手”を任され「大谷か藤浪かと思ってたんで」と恐縮していた。雨天順延で、3戦目に。だが、ひとたびマウンドに立てば、2人に負けない輝きを放っていた。【今井恵太】