第85回選抜高校野球大会(22日開幕、甲子園)に出場する北照(北海道)は17日、大阪・枚方市内にある興国高グラウンドで練習試合2試合を行った。畝傍(奈良)戦には主戦の大串和弥投手(3年)が先発し、8回3失点と苦しみながら今季初完投勝利を挙げた。

 左腕エースにとって、24日の初戦、菰野(三重)戦に向けての試運転だった。試合前に河上敬也監督(53)も「長いイニングで行くからな」と伝えた。8回まで毎回走者を背負い、6四球に3死球、被安打8の123球。ぴりっとしない出来だったが大串も「内容が悪かった。味方がたくさん得点してくれましたから…」と苦笑い。制球に課題は出たが、この時期の完投は収穫だった。

 大串は一昨年秋、明治神宮大会を皮切りに昨春の甲子園、昨秋の明治神宮大会まで全国トップクラスのチームと6試合を経験している。「去年とは状態も違い、経験も積んでいるので自信があります」と試合後の表情は明るかった。今春はチェンジアップを新たに覚え、効果的に使っている。スクリュー、カットボールを含めて左腕から繰り出す変化球の質は高い。

 この日の3回には3者連続で走者を出したが、3人とも一塁けん制球で刺した。「1イニング3人は初めてです」と、冷静なマウンドさばきは見せた。指揮官は「少し心配はありますが、修正できる範囲。もう1試合、投げさせれば大丈夫でしょう」。チーム最後の練習試合となる20日の箕島(和歌山)戦で、最終調整する。【中尾猛】